子供の病気~気になる症状は
これから紹介する症状を認める時は、自宅にいる場合は速やかに医療機関を受診し、来院している方なら受付にお子さんの緊急性や心配な症状を申し出てください。特に生後1ヶ月以内の新生児の発熱は、重篤な疾患の可能性が高い為、炎症の度合を調べる血液検査などを早めに行うことが大切です。
急な発熱
お子さんが夜中に高熱を出して、心配されることが多いと思います。高熱で頭がおかしくなるのではないか、何かが起こるのではないかと心配になり、あとはもう体温計とにらめっこばかりしていませんか?発熱とは生体の防御反応で、からだに侵入した病原微生物(ばい菌)から身を守っていると考えられています。
子供の場合、熱の高さと病気の重さは比例しないことが多いようです。病気の重症度の判断は、熱の高さよりもお子さんの様子が重要です。熱が高くても元気で、赤い顔をして物をきょろきょろ見たり、手足をよく動かして遊んでいるときは、急を要する状態ではないでしょう。しかし、お子さんの顔つきが悪かったり、物事に対する反応が鈍かったり、手足をあまり動かさずグッタリしているとき、何度も嘔吐したり、息苦しそうな呼吸をしているときは、早めに診察を受けて下さい。
熱性けいれん
生後6ヶ月ごろから1歳ぐらいの間によくみられます。突発性発疹症や麻疹、インフルエンザなどの病気で急激に体温が上昇するときに起こるようです。お子さんがひきつけを起こしたらご家族は大変心配になり、あわててしまわれることと思います。しかし、命にかかわることはまずありません。ひきつけは数分でとまります。
次のように対処してください。
- 舌を噛んだりしないので、口の中に物を入れてはいけません。
- 衣服をゆるめ、楽な姿勢で寝かせる。
- 嘔吐しそうなときは、体を横向きにして吐物がのどにつまらないようにする。
- けいれんの様子をよく観察してください。
呼吸困難
呼吸困難は、重篤で緊急性のある病気を数多く含んでいます。症状として、呼吸が速い、呼吸が遅い、呼吸音がゼイゼイしている、陥没呼吸、鼻翼呼吸、肩呼吸、不機嫌、意識レベルの低下、興奮している、嘔吐、哺乳力低下、チアノーゼなどをみとめます。一刻も早くお医者さんの診察を受けてください。
鼻 血
子供にはよくみられます。鼻をほじくったりひっかいたりするために起こります。一度出血すると、くしゃみや、鼻を強くかんでも出血しやすくなります。ところが、
- 10分以上鼻血が止まらない。
- 顔色が悪く、何度もくり返し元気がない。
- 体に紫斑(青あざ)がみられるとき。
このようなときは、まれですが血液の病気が原因の場合があります。
鼻血が出たら次のような方法で止血してください。
- 座って、頭を少し前かがみにします。
- ティッシュペーパーや綿球を鼻の穴にいれて、鼻翼をつまんで約10分間圧迫します。
昔から行われている首の後ろをたたいたり、タオルで冷やしても効果はありません。
腹 痛
子どもがおなかの痛みを訴える場合、緊急を要するものなのか、経過をみてよいものかを見極めることが重要です。おなかが痛いといっても顔色はどうか、食欲はどうか、嘔吐はあるのか、普通に歩けるのか、便秘はしていないか、体をまるめて痛がるのか、痛みがだんだん強くなってくるのか、痛みの持続時間は、腹痛以外の症状はどうかよく観察してください。
○痛みが突然発症し、次第に強くなり、持続時間は長く、眠ることができないような場合は、緊急性であることが多い。(腸重積・ソケイヘルニア・精巣軸捻転など)
○炎症に伴う腹痛では、痛みは徐々に強くなり、多くは発熱を伴います。
(感染性胃腸炎、急性虫垂炎、腹膜炎、膵炎、胆のう炎など)
○腹痛が長期にわたり反復する場合は、心身症による疾患の場合が多い。
(過敏性腸症候群、起立性調節障害、臍周囲痛など)
様子がおかしいなと思ったら、早めに受診してください。
脱水症
脱水とは、水分の摂取不足や嘔吐・下痢による体内からの水分の減少した状態をいいます。乳児では、体重減少が5%未満を軽症、5~10%を中等症、10%以上を重症と考えます。軽度の脱水で、全身状態も良く経口摂取が可能であれば、市販の乳児用イオン水を与えるのがよいでしょう。一般のスポーツドリンクは糖分が高く、電解質濃度が低いので、脱水の治療に用いるのはよくありません。中等症で嘔吐・下痢が激しく、脱水の進行が速いと思われるときや重症の脱水では点滴による治療が必要です。
チアノーゼ
チアノーゼは、皮膚や口唇、爪などが青紫色になることをいいます。動脈血の酸素不足による中心性チアノーゼと、静脈血の酸素不足による末梢性チアノーゼがあり、心疾患や肺疾患などが原因であり緊急性を要します。
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